金庫のカギが開かないと工賃を支払うことができないじゃないか!

まとまった額面の現金や高価な宝石類など、貴重品をしまっておくための設備が金庫です。用途別に盗難防止を主たる目的とした防盗金庫や、火災や水害時に貴重品の破損、消失を防ぐための耐火金庫など、さまざまな種類が存在します。
普段は大切な財産を守ってくれる金庫ですが、防犯性能を高めるためダイヤル式と施錠を併せもった開閉手順をとるなど、あえて複雑な仕様にしていることが一般的です。そのためひとたびトラブルに見舞われると、思いがけず面倒なことにもなりかねません。

実は最も多い金庫のカギのトラブルの事例は、ダイヤル錠を開錠状態にしたままカギの開閉のみで金庫を使用している場合に、なんらかの理由でダイヤルが回ってしまい、普段使わないため誰も会場番号を覚えていないために、中のものが取り出せなくなったというパターンです。ダイヤル錠の開け方、その暗証番号については、たとえば目立つ場所などに張っておくと防犯効果がなくなってしまうため、どうしても記録しておくことが難しくなります。このことが、運用上ダイヤル錠を使わないという方法までエスカレートしている事例が多いということでしょう。

ほかにも電気式の機器を内蔵して暗証番号の照合を行うタイプの金庫があります。ダイヤル式に比べて操作が簡便である半面、電池切れなどのトラブルにも見舞われやすいという欠点があります。
何らかの理由でカギの開かなくなった金庫は、最悪の場合、プロの業者に開錠作業を依頼しなければならなくなります。通常はほかに代え難い、重要で貴重なものだからこそ金庫にしまわれているわけで、これが開かなくなるということは、中の貴重な品々が永遠に失われてしまうのと同じことを意味します。

事実、過去においては問題用紙の入った金庫の鍵が壊れてしまい、入学試験に支障が出たというケースまであります。中のものの価値を考えれば、解錠にかかる費用など惜しくないとう事例のひとつでしょう。